★安倍首相、この人は、米国で何故トランプが当選したか何も解っていないのでないか。
「TPP、首相“米国、必ず重要性再認識”。」
トランプはワシントンの既存勢力にNO.
その代表がTPPにNO.TPP賛成したら投票者の大半を敵に回す。ー(孫崎享氏)

1:米国の指導者層に「TPPを実施したらいい」と思う人は、基本的に過半数を占めていると言っていい。

2:米国は憲法で貿易交渉は議会の権限である。

従って、政府が交渉した案でも議会が修正していい。

そうなると、相手政府は米国政府の交渉能力に疑問が出る。

微妙な交渉に相手は真剣に対応しない。

この状況を避ける為、本年初めに議会は、政府に一括交渉権を与えた。

それは事実上政府案を承認するという前提であったので、議会はTPP批准を承認するものと思われた。

3:だが大統領選挙で情勢は一変した。

米国国民は、大手企業が生産拠点を海外に移転させたことからくる労働市場の縮小、

住宅バブルの破壊などから生活が悪化している。

人口の最下層20%、次の労働者を中心とする20%、その次の中産階級と言われる20%、合計60%の層は、

自己の保有する財産価値は90年代に比し、20%から50%減少している。

ここから既存勢力に対する不満が最初は民主党のサンダース候補に、次いで共和党のトランプ候補に集まった。

この中で、TPP反対が大統領選挙期間中、最重要政策になり、米国民の不満がここに結集した。

6月29日The Huffington Postは「 ”アメリカはレイプされる“ トランプ氏がTPP脱退を表明 」の標題の下、

「ワシントン・ポストによると、トランプ氏が6月28日にペンシルベニア州で経済政策について演説を行った際に、

”アメリカはレイプされ続けている“などと激しい言葉で、TPPを非難した。

“TPPは大失敗だ。特別な利害関係をもつ奴らが、アメリカをレイプするために、この協定を結ぼうとしてきた。

ひどい言葉かもしれない。だけどアメリカはレイプされ続けている。」と報じた。

トランプ氏のTPPへの批判はこれにとどまらず、

2015年CNNは「トランプ氏は短文投稿サイトのツイッターで

”「TPPは米国ビジネスへの攻撃だ。日本の為替操作は止められない。損な取引だ“と述べた」と報じている。

こうした中で、TPPを推進してきた共和党の重鎮は、

オバマ政権下でTPPを成立させることは不可能だと繰り返し述べてきた。

マコネル上院院内総務は、11月9日の記者会見で「TPPが年内に議会に提出されることは確実にない」と

明言している。

4:毎日新聞(ウエブ)は2016年11月15日 23時次を報じた。

「 安倍首相は15日、東京都内で開かれた国際交流基金日米センターの会合で、

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について

“米国には必ず、TPPを含め自由貿易の名の下に世界の新しいルールを作っていく重要性を

再認識してもらえると確信している”と述べた。

トランプ次期米大統領が大統領選中にTPP離脱を主張したことを念頭に置いた発言とみられる。

首相は“保護主義がまん延しようとする今こそ、

自由貿易の価値を共有する国々との新たなルール作りを日本がリードしなければならない”と述べ、

TPP発効に重ねて意欲を示した。」

5:TPPに利益を見出す人々は米国にいる。

しかし、政治力学で、トランプはTPPに賛成はできない。

彼がTPP支持に回れば、彼に投票した米国人一般を敵に回すことになる。

トランプにTPPの理解があるかないかの問題ではない。

多分、安倍首相はトランプが何故当選したかを解っていないのであろう。

米国国民はワシントンの既存勢力へNOを突き付けたのだ。その代表政策がTPPである。

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