これはリプライ用のツイートですので心当たりのない方は読む必要はありません


なるほど確かに同じ大きさのパイを人数で切り分けるように、種数が増える程リソースは細分化され、生存可能な個体数も制限されるというのはあります。
そしてその個体数が低すぎると『その種における』ロバスト性は低下しうるのではないか、ということですね。

これは生態系におけるロバスト性の評価を『種』に絞るか『生態系全体』で見るかで意味が変わってくるのではないでしょうか。

生態系全体で見ると多様性の高い生態系ほど気象イベントに対する抵抗性が高いという観測データ自体は存在するようです。そして多様性が低いほどこういったイベントで生産力が失われやすいとあります。
http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/68954

また、種間関係が複雑であるほど個体数の変動が抑えられやすいという数理モデルも実際にあるようです。ただし論文の方は私のおつむが足りないためよく理解できませんでした。
http://first.lifesciencedb.jp/archives/5414
https://www.researchgate.net/publication/229438515_Diversity_of_Interaction_Types_and_Ecological_Community_Stability

これらから、種単体では環境収容力が減少しロバスト性が低下しているように見えますが、生態系全体におけるロバスト性は向上し安定性は増しています。ついでに生態系全体の安定性が高いので見方によっては種そのもののロバスト性も高いとも言えるのではないでしょうか。

そして『多様性が高すぎる状況』が生じるかどうかですが、自然下ではニッチが重なる生物同士は最終的に共存できない場合が多いです(競争排除の法則)。
http://www2.kpu.ac.jp/life_environ/app_entom/kisosei1.pdf
ですので種数を増やしても同じリソースを競合する種同士では最終的にはどちらかが排除され、最終的にはニッチの数に応じた種数に収束するのではないかと予想します。
ニッチの数自体は生態系エンジニア種の追加などで拡張は可能かと思います。

Reply · Report Post