京大、iPSの元になる新細胞を作製 創薬研究に貢献




 京都大の多田高准教授らは5日、体の細胞からiPS細胞の元となる新たな細胞を作製したと発表した。新細胞は狙った遺伝子を改変する「ゲノム(全遺伝情報)編集」と呼ぶ技術を応用しやすいという。病気を再現した神経や臓器の組織をつくりやすくなり、創薬の研究に役立つと期待される。

 研究チームはヒトの胎児の肺細胞に4種類の遺伝子を入れ、20日以上にわたって機能させた。この肺細胞のうち一部がiPS細胞の元となる細胞に育った。iPS細胞を作る際の中間段階にあたるもので、「iRS細胞」と名付けた。

 新たな細胞は80日間の培養後も、他の細胞に変化しなかった。細胞の塊を分割し、密集した状態で培養するとiPS細胞に育った。

 新たな細胞はiPS細胞に比べて死滅しにくい。ゲノムを改変したうえでiPS細胞へ育てる京大の手法を使えば、神経や臓器で様々な病気を再現し、新薬の開発に貢献できる。研究の詳細を英科学誌に発表した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG05HAU_V00C16A1CR8000/

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