「輝きの向こう側へ」って良いフレーズですよね。
事実、今のアイマスはめっちゃくっちゃ輝いていると思います。いやらしい言い方をしますと、アイマスはビッグコンテンツになって、たくさんのお金を儲けられるようになっています。去年の二月にアイマスの市場規模が百億円を超えたっていうニュースを見た時は驚きました。現実のアイドル市場全体の規模が七百億円を超えているくらいらしいので、アイマスがどれだけヤバいかは自明な状態でございます。そりゃガミPもめざましテレビに出て「現実のトップアイドルはAKBだけどヴァーチャルのトップアイドルはアイドルマスターですw」とか言っちゃいますよ。
 というわけでアイドルマスターはとても輝いています。
同じように、劇中の765プロのみんなはとても売れています。
 超輝いています!

 そんな一人前になったアイドルのステージに、ヘタクソな新人が混ざってきた場合、どんな選択をすればいいんでしょうか?

 そんな問いが芯となっていたのがムビマスであったと思いました。
 普通は志保の言うとおり、やる気のないヤツは切っちゃってクオリティーを上げるという選択をすると思います。これはアマチュアの馴れ合いじゃなくて、十分に売れてたくさんの人の期待を背負っているアイドルの大切なステージですから、甘いことは言ってらんないですよ。
 でも春香は、切るなんて選択をしなくて、アイドルになりたいって言う可奈の気持ちをこれでもかってくらいに尊重します。
 可奈と一緒にステージに立つ選択をした後に、みんなが苦しそうなシーンをしているのが印象的でした。単純に喜んでいるだけじゃなくて、茨の道を進むことを選択したことへの不安感がごちゃ混ぜになって、あんなに素敵でありながら暗い色調での作画になってたんだと思います。あの選択をした後に真が眉を下げながら言った「ここからが大変だね」って台詞に僕は唸りました。プロになった真は、本番までの毎日が辛くなるだろうことを分かっていて、けれどやっぱり優しい765プロの真だから、人の気持ちを大切にしたいと考えてるのがよーく分かりました。真だけじゃなくてみんながそんな気持ちだったでしょうね。空っぽのアリーナの中心で泣いているアイドルたちの姿はとても美しかったと思います。
 けれど春香だけはただ嬉しくて泣いていたんだ、と。
 中村先生が、収録時に嬉し泣きの演技をしたらOKが出た、ということをツイッターで言っていました。そりゃもちろん春香だってキツイ方向に進むことを決めたんだってことは分かってると思いますよ。でもやっぱり、自分の甘い選択がみんなに受け入れられたことが嬉しいって感じる、優しい女の子なわけですよね。

 さっきも書きましたけど、普通は志保の選択をすると思います。春香の選択はプロとして甘いんじゃないのーって思う人がいると思います。
 でもアイドルマスターという作品においては、たとえ業界のトップに立っていたとしてもあんな人間味のある考えが採択される、ということが示されたんだと僕はムビマスを見て感じました。

 アイドルマスターは面白いもので、アイドルの女の子と向き合うゲームなわけですけれど、実際はアイドルの仮面を外して素の姿を見せている女の子と向き合ってる時間の方が圧倒的に長いんですよね。そのアイドルの作り物じゃない、人間の部分に接し続けて成長していくというかたちが原点なわけです。
 アイドルというものが虚構的とか商業的とかいう意見に僕は賛成の立場ではありますが。
 しかし、それでもアイドルは人間がやっているわけで。
 アイドルマスターは人間味のあることをやるよ、って。物凄く売れてとんでもねえ予算を投入して映画を作ったなんていう高いステージに立って、超輝いているわけですが。今とても輝いていて、これからその先に進んでいこうとしているわけですが。
 輝きの向こう側へ行くけれど、人間味を大事にしていくよって。
 輝きの向こう側へ行くけどれ、相変わらず悩んだり泣いたり誰かから怒られたりする普通の女の子だよって。
 そういうメッセージを僕は感じ取りました。

 プロデューサーから舵取りを任された春香が、天海春香という一個人として意見を挙げて、そしてそれがみんなの進む方向になったのはそういうことなんだと思います。
「私は、天海春香だから」って台詞、超スーパーウルトラ好きです。
 一人のアイドルとして、そして、一人の人間として出した答え。
 春香、本当に頑張りましたよね。
 いっつも辛い目に遭ってばかりの春香にとって、アリーナライブが幸せなご褒美になればいいって思いますよ。



 はい! メインとして語りたいことは以上! ここまででもう二千文字も書いてるってどういうこと! 知るかオラアアアッ!!
 ということでこっからは細かいことを書き散らしていきます。


・エンドロール
 rrrrrrrrrrrrrrrrrrr凛んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!
 グリマスの子たちがオーディションに挑戦している画も感動的でしたけどぉぉ、
 rrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr凛んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんn!!!!!!!!!!!
 あれだけトップアイドルの姿を描いてさあ! 最後にニュージェネレーションを映すとかさあ! これからの展開に期待しちゃいますからね!!はっきり言ってモバマスのアニメ超見たいですからね!!!

・ラムネ色 青春
 今回の書下ろし曲の中で一番好きでした。
 曲の内容に関しては、しっかりと聴けてないのでコメントできないんですけど、
 えっとですね、
 あの曲が流れ始めた最初のシーンが大好きなんです。
 つまり、響と貴音が二人で海沿いを歩いていたら、他のみんなが集まってきちゃうシーンが大好きなわけです。
 SPの響と貴音が印象深い僕としては、二人がみんなに愛されている描写があるのがとっても嬉しいんです。
 良かったなぁ響と貴音。いつか寂しくて泣いてたおまえらも、今はもうみんなとワイワイできる青春のど真ん中だよぉ。

・志保
 かわいいなああもうううううううう。
 映画の中だと違うのかもですけど、グリマスだとこの子ダンスが苦手でたくさん練習しているんですよね。ともすれば嫌な奴に映りがちですが、そういう努力を見えないところでしているんだと想像したらとてもかわいいです。
 伊織と絡んでいたのも良かったですね。そうきたか!って思わされました。
 千早との絡みがくるんじゃないかなぁと思っていたんですけど、それはなかったですね。
 千早がどんな気持ちで志保の必死さを見ていたのかを考えるのも楽しいです。

・ぬるぬる春香
 なんかすっごいぬるぬる動いてた! なんなんですかあれ!

・アリーナライブ
 伝説やでぇ……!
 ライブが始まる前の、幕の前で十二人が手を繋いでいるシーンが僕は好きで好きで、一番泣きそうになったのがそこです。

・あの劇中劇のやつ
 あいかわらず楽しそうに二次創作しやがりますねぁこの製作陣は!!
 前から思ってたんすけど、この世界の765オールスターの映画ってなんで千早がメインなんだろう……。ああいう作品を通して、千早がただの歌唱力のあるアイドルではなくてかわいくて面白い子なんだって世に知られていたらいいなぁ。
あと、『Fate of the world』が珍しくはるちはみきの三人で歌われたらしくて、それであのかっちょいい曲調ですから、リリースを今から期待してます。

・律子
 やっぱり律子の話は面白いなって再認識できました。
 律子をセンターに置いてのGo My Way!!は良かったですよね!俺たちがアニメで見たかったものがここに来てまた一つ見れた!って感じ。
 律子の、若いのにたくさんの苦労を背負いこんでるところ、アイドルとしての幸せをしっているけどプロデューサーとして生きたいと思ってるところ、メンバーの一人であること。それらがあんなにしっかりと描かれるとは思っていませんでした。
 ところで涼が着実に売れていってるようだけどその辺についての見解はどうなんですか??????

・伊織
 ステキ過ぎんだろおめえ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

・美希
 髪の毛をいじいじしてる美希がかわいすぎて今なら石鹸を握り潰せる。
 無敵な女の子ではありますけれど、春香には自分にないものを持ってることを知っているのがいいですよねぇぇ。
 美希だって、春香とは違っても、普通の女の子なんだぜぇええええええええ。

・童貞
去り際の台詞の「いいか、レディつうのはなぁ…」は殺しに来てるな思いました。

・三十路
音無さん、劇中で秋になってたし、きっと描かれていないところで誕生日を迎えていたんでしょうね? おめでとうございます!!

・千早
 この子、作中でずっと「春香のことが好きだけれどこんな感情を持っていることを知られたら嫌われるわよね……でも好き……」みたいな目をしてませんでした???
 はーい冗談はさておき。これまで周りをよく見れていなかったと思う、という発言は千早をプロデュースしてきたPには感動的だったんじゃないでしょうか。まだまだ一人前とは言えないけれど、その内にいろんな人と春香に対してと同じように接することができたらいいですね。がんばれー。

・他のアイドルものとの比較について
ちょっと嫌な話。
 これがアイドルの理想像、というキャッチコピーのとおり、他のアイドルものが描こうとしているものをこの映画で一つ描いてしまったと思うんです。
 ラブライブが描く青春的描写、WUGが描きたいんじゃないかなと予想するアイドルとして生きていく上での問題とその解決。アイカツとプリリズには明るくないんですけど、でもアイマスは絶対に子供が見ても楽しめるファンタジックにド派手なアイドルものでもありますよね。
 もちろん、それぞれの作品が武器にしているポイントってあると思います。それとアイマスはどうしても比較ができちゃう。
 がんばってほしいです。



 はい以上!!!ここまで読んだ人は本当にお疲れ様でした!!!

 楽しかったですね、ムビマス。と僕は言いますよ。
 けど同時に、春香の答えと、そしてそれが採択された展開に違和感を覚えた人がいるんじゃないかなぁと思います。みんながみんな楽しめる映画というよりも、「いや春香はもっとこう……」「ああいう場面に佐竹さんがいた場合彼女ならこういうことを言うんじゃ……」「伊織はあんなに大人なやつだっけ……?」みたいにあーだこーだと議論したい作品だと捉えております。
 みんなでもっとアイマスに関してお話しましょう!

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