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Crystal · @XTAL_JP

17th Dec 2013 from TwitLonger

昨日tweetしたThe Guardianの記事、友人が訳してくれたので、未読のかたはどうぞ。山本くん、ありがとう。

イギリスの国民性=ピアノ好き、というのは今まで意識したことなかったので、面白い。

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2013年:ピアノハウスの年
流れるコードと4つ打ちの古典的な組み合わせは、まだまだフロアにエモーショナルな狂乱を生み出すことができる
Sam Richards
The Guardian, 2013/12/13(金) 13:00

Viz(戦後の英漫画家)はかつてイギリスの国民性の一つとして、ピアノ好きということを挙げていたが、それはあながち間違いではなかった。まだDerrick MayのStrings of Lifeが世を席巻する1987年に生まれていなかったイギリス人にとっても、流れる鍵盤のコードと4つ打ちの組み合わせは、パブロフの犬的な効果を生むようだ。ジャンルとしての“ピアノハウス”はイタリア人が明確に打ち出したものだが、我々(イギリス人)はそれを愛を持って受け止め、Black BoxのRide On Timeを1989年の大ヒットシングルにした。それ以降、K-Klass/Rhythm Is A Mysteryや、New Order/Regret(Heller & Farley's exultant Fire Island remix)など、エモーショナルなピアノリフはUKダンスミュージックの特徴となった。

90年代中盤に向かうにつれて、暗いダンスミュージックが流行り始め、所謂クラシックな鳴りのピアノよりも、シンセがまた主流になってきたが、一部の賢いプロデューサーは、レイヴ全盛期のノスタルジーをフロアに放つには、やはりフックに高揚感のあるスリーコードのピアノを使うことを辞さなかった。例えばそれは、Streets/Weak Become Heroesであったり、Axwellの2008特大ヒットI Found U (Swedeish House Mafia絡みで一番意義のあった仕事)であったり。

そして去年、とあるDavosなる人物がホームパーティーでピアノハウスメドレーを弾いて友達を湧かせる、という動画がネットでバイラルした。あらゆる方面でピアノハウスが再び鳴り始めた。John Newman/Love Me AgainとKaty Perry/Walking On Airのぶっといピアノリフは、明らかに90年代のイタリアのピアノハウスのものだった。クラブでも、Paul Woolford/Untitled、 Dense & Pika/Coltは確実にピアノハウスのテイストがあった。ベルリンの堅めのテクノシーンの中でさえ、Shed(Rene Pawlowitz)がHead Highの変名のもと、ピアノ先導のトラックを作っていた。

9月になると、4heroのMarc Clairがピアノ主導の変名、Manixを20年振りに再始動させる頃合と判断したのか、ニューアルバム(とは言っても明らかに回顧主義的な)"Living In The Past"を発表した。もっと素晴らしかったのは、ニューヨークのレーベルBeats In Spaceから突然出てきたシングルだった。日本のCrystal & S Koshiによる"Break The Dawn"は7分間の生粋のピアノハウスによる涅槃を繰り広げてくれた。しかもジャケでは、1996年のPianoman/Blurred以来となるイメージの嬉しい描写、グニャグニャなピアノの鍵盤までやってくれた。

これは素晴らしいピアノハウスのレコード全てに言えることだが、"Break The Dawn"の多幸感もやはり、楽しい時間は儚いものだということをわからせてくれる。ここ6ヶ月間チャート上位やダークなテクノ箱をその音で満たしてきて、ピアノハウスリバイバルはもうピークを過ぎたかもしれない...次のDJがまたエモーショナルな狂乱でフロアを包み込みたくなるまでは...

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