高島の河川敷放射能チップ問題:撤去で住民ら、処理施設非公表に疑念 知事出席し地元説明会 /滋賀
毎日新聞 2013年

 高島市の鴨川河川敷に放射性セシウムに汚染された木材チップが放置された問題で、県は7日、同市内で撤去計画の地元説明会を開いた。嘉田由紀子知事も出席。処理施設を明らかにせず、処理施設がある自治体にも連絡しない点について「批判は責任を持って受ける」と述べた。

 説明会では、関係企業が木材チップを袋詰めして来年1月末までに撤去、産業廃棄物として県外で処理すると伝えられた。同市の福井正明市長はチップ搬出と共に汚染された土砂も確実に撤去するよう要請。県側は土壌の放射能濃度を測定することなどを説明した。

 出席住民からは、「不法投棄されたチップの関係企業を信用できるのか」「搬出先の住民が同じ苦しみを味わうのでは」などの質問が相次いだ。県側は、チップが廃棄物として適正に管理され合法的に処理されると強調し、問題はないとの認識を示した。撤去完了後に安全宣言することも約束した。

 嘉田知事は不法投棄に絡む刑事事件の全体像が明らかになっていないことが、搬出企業などを明かせない一因と説明。「ゆくゆくは最初に罪を犯した所に(チップを)返す。放射性物質を日本中にばらまいた元はどこか。本当の批判はどこに行くべきか考えてほしい」と理解を求めた。【石川勝義】

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