日本共産党の大門実紀史参院議員が参院本会議で行った森雅子秘密保護法案担当相問責決議案に対する賛成討論(2013年12月6日、仮起こし=赤旗政治記者J)
(※あくまでも仮起こしですので、ご参考まで)

 私は日本共産党を代表し、森雅子大臣の問責決議案に賛成の討論を行います。(「よし」の声、拍手)
 森雅子さんとは、貸金業法の改正をはじめ、消費者被害をなくすためにともに力を合わせた間柄であります(「おー」の声)。こういう形で討論をしなければならないことを、心から残念に思っております。
 わが党が賛成する最大の理由は、あれこれではございません。森大臣がこの希代の悪法=秘密保護法を推進したこと、そのものにあります。(拍手)
 さらにいえば、森大臣には、秘密保護法案にかんする当事者権限がありませんでした。9月17日に本法案の担当に森大臣を指名いたしましたけれども、すでにそのとき、法案概要は完成し、パブリックコメントも募集されていたのです。この法案を作成したのは内閣官房の内閣情報調査室でございました。内閣情報調査室は、首相のもとに官房長官が統括をし、指揮監督権も官房長官が持っており、森大臣は持っておりません(「そうだ」の声)。だから委員会審議で、森大臣の発言を事務方がたびたび修正するという異常事態が続いたわけでございます。
 また、森大臣の発言を、ほかの大臣が修正するということもありました。それは森大臣が、特定秘密なるものを指定し、法律を運用する「行政機関の長」でもないからです(「そうだ」の声)。結局、森大臣はこの法案の当事者権限を持たない、単なる「答弁用大臣」に過ぎなかったのです(「そうだ」の声、拍手)。当事者能力がない大臣が、延々と答弁を繰り返すなど、まさに国会を愚弄するものではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
 また担当大臣として、法案の審議に必要な資料の提出を約束しておきながら、いまだにそれを果たしていないことも重大であります(「そうだ」の声)。
 そもそも、なぜこんなことになったのか。それは、本来、官房長官が直接担当すべき法案であるにもかかわらず、「国家安全保障会議(日本版NSC)」設置法案と、秘密保護法案の2法案を、短い会期の今国会で強引に成立させようとして、別に「答弁用大臣」を立てて、審議のスピードアップを狙ったからであります(「そうだ」の声)。この点で、もっとも厳しく問われるべきは、森さんを「答弁大臣」に任命した安倍総理の任命責任であります。(「そうだ」の声、大きな拍手)
 しかし森大臣の特別委員会における答弁も、あまりにもひどかった。TPPが特定秘密の対象になるといったり、ならないといったり、報道機関への家宅捜索があるといったり、ないといったり、自分でも何が正しいのかわからないまま答弁するから、聞いている方はもっとわからなくなる(「そうだ」など議場騒然、拍手)。大臣の答弁のあいまいさが、国民のみなさんにも不安を広げました(「そうだ」の声)。とくに福島県のみなさんは、この秘密保護法で原発の事故情報が隠されてしまわないか、大変心配されております(「そうだ」の声)。その心配に森大臣は、未来永劫、本当に大丈夫だといい切れるのでしょうか。テロ対策上、秘密にするといえば、なんでも秘密になってしまうではありませんか。(「そうだ」の声)
 しかし、これも森大臣の答弁能力だけの問題ではありません。この秘密保護法そのものが、曖昧で、恣意的で、そのときどきの為政者の好き勝手に運用する「危険性」をはらんでいるからであります(「そうだ」の声、拍手)。だからこそ、これだけ各分野から広範な反対の声が上がっているわけです。(拍手)
 最後に申し上げたい。まともな弁護士で、この法案に賛成している方はいらっしゃいません(「そうだ」の声、拍手)。あなた自身が問われるべき最大の責任は、法律家の良心を捨てて、この法案の担当大臣になったことであります。
 こんな中途半端な大臣が担当した委員会の審議は、まったく不十分なままであり、採決など断固、認められるものではありません(「そうだ」の声、拍手)。このことを強く申し上げて、賛成討論を終わります。(大きな歓声と拍手)
 (おわり)

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