非難すべきは、一度決断した後で実行に移す際に手間取ることである。これは、ほとんど必ず有害なことである。なぜか。 決断したときの状況も刻一刻と変わっていくからである。無気力のためか、面倒くさいことを心配してか、行動に踏み切ることが遅れたばかりに失敗した事例はたくさんある。

もし、慎重な決断の後に、実行に移す直前になって、何か重大な理由のために最初の決断を変えざるを得ないような状況になった場合に、どうすべきか。

その理由が、あなたのせいではなく、あるいはあなたには全然関係がない場合には、あえて最初の決断を貫き通すことが、普通は得策である。

この状況のもとで、判断をひるがえすことは、普通は評判を落とすことになる。なぜだろう。判断をひるがえしたことにより、当然最初に言っていたこととの間に、矛盾が出るのは避けられないからだ。

また、普通は最初の決断を貫き通すことで、成功することが多いものなのである。なぜだろう。それは、最初の判断が十分に考え尽くされたものであるのに比べて、状況の変化による判断の変更は、なお目先の判断に過ぎないという可能性もあるからだ。

また、ある決断をした後で、その選択の結果がとてつもなく大変なことのように思えるときには、別の選択をした場合の困難をはっきりと思い出してみること。目先の大変さで、普通は忘れがちなのでちょっと思い出してみると、今回の決断の妥当性が改めて認識できるということもある。



フランチェスコ・グイッチャルディーニの言葉。好き。

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