JIJITSUWOSHIRU

AYUMI · @JIJITSUWOSHIRU

13th Nov 2012 from Twitlonger

※法学部に於ける講演。必ずしも政治に興味や予備知識のない人、党派関係なく政治全体に不信を持つ若者を対象に話していることご了承の程を

谷垣禎一講演@明治学院大学白金祭 後半-8
・日本の国を統治していくために、自民に限らず政党がやらなければならない2つの事

 それからもう一つですね、自分が野党になって、どうしたらもう一回国民の信頼を取り戻せるかっていう自民党なりの工夫を、まだ充分かどうかはわからないけれどもして参りました。
 自民党っていうか政党がですね、国を統治していくためにやらなければならない事は。
 それぞれ政党が違えば、当然政策が違ってもそれは当り前です。各政党はそれぞれ政策っていうのはあって当然ですね。だからそれぞれの政策は練磨しなければならない。
 しかし政治が上手く動いていくためにはですね、必要なことは2つあると思うんです。

 1つは、やっぱり国会議員や地方議員や、その党の活動のレベルが低かったら、その政党は充分国民の期待に応えることは出来ないだろう。ですから政党がやらなければならない第一の事は、良い人材を発
掘し良い人材を育てていくことに、ド真剣にならなければ、長い目で見て国をしっかり支えていく事にはならないだろうと思います。どの政党もそういう努力をしなければいけないだろうと思います。

 それからもう1つ、努力しなければいけないことはですね。東京にいくら良い国会議員が出て来ても、それだけで日本の国を安定的に統治していくことは出来ないだろうと思います。
 日本も大変広うございますから、やっぱりそれぞれの地方組織をしっかりさせて、そして地域地域の声を充分に吸い上げるということが出来なければ、それは良い政治にならないだろうと思います。


 実は私がこのことを非常に感じましたのはね、(東日本大震災発災の)3月11日以降なかなか復興が進まない。これは誰がやってもあれだけの大震災ですから復興はそう簡単な事ではありません。
 例えば環境省っていう役所は、今までは1年間の予算が2千億くらいの役所でした。ところがああいう原発の色んな問題を環境省が扱うようになり、汚染や何かも環境省の担当だという事になってですね、急に予算が1年間1兆円くらいになった。
 それで確かに、2千億の予算が1兆円くらいになったという事はですよ、色んな事をやれる可能性を持ってる訳ですけれども、しかし同時に、今まで2千億の予算を消化してた役所が1兆円の予算をあれするには、それだけの人と組織があるのか?という事がありますね。
 どっからそういう人を集めてきて、1兆円のものを充分に使いこなしていくのか。これはまだなかなか出来てない所があります。これは誰がやってもすぐ簡単に出来るものではないだろうと私は思います。

 ただですね、なかなか解決して行かない原因の1つに、まだ民主党の地方組織があまり強くないという事があると思います。要するに民主党の地方議員は、まだ自民党の地方議員に比べると数も物凄く少ないんです。地方組織も充実してません。
 だから自民党に地方組織から入ってくる情報が与党に必ずしも入ってないという現象が相当あるだろうと思います。


 ですからどの政党もですね、人材の発掘養成と、地域支部をきちっとしていくという事をやらなければ、日本ほど大きな国を統治するという事はなかなか出来ないと思います。そういう風に考えますとですね、民主党もまたそういう所を努力しなければならない。

 だけど今第三極と言っております所がですね、次の選挙では相当勝つと私思いますよ。今までの日本の政治を見ていると、次はかなり維新とか―まあ自民党の前総裁があそこは勝つ勝つと言ってはいけないかもしれませんが、率直に言って相当勝つと思いますね。世論調査をやっても彼らはかなり勝つと思います。

 だけれども、国会議員選挙では勝ててても、その党が力を発揮するためには、やっぱりそれだけの地方組織を作ることがすぐ1回の選挙で出来るかっていうと、なかなか出来ないんじゃないかなあと私は思っております。
 相当地道な努力をして、人材の発掘等、地域支部を作っていく、こういう努力をこれから維新やみんなの党にも担ってもらわなければ、日本の政治全体のレベルアップには繋がらないだろうと私は思います。
 ですからそういう事まで睨んで、安定した政治を作っていくのはどうするかということはですね、なかなかまだ答えは出てません。

 しかし長い間の自民党の、先程申し上げましたような安定の方程式っていうのは今や通用しなくなってるわけですね。
 だからそういう事を考えますと、ちょうど自民党が出来たのが昭和30年です。昭和20年に日本は戦争に負けて、昭和30年に当時の自由党と民主党が合併して自民党が出来た。当時の第一野党は社会党ですが、社会党は左派の社会党と右派の社会党に分裂してたのが、同じく昭和30年にもう一度再統一して、社会党という党が生まれます。
 要するに自民党と社会党がそういうふうになって初めて、10年かかって、安定していく政治を作る体制が出来たんですね。

 私は、ある意味では今もう1回戦後の時に戻ってると思います。これから10年かけるわけにはいかない、しかし、戦後見てみればお分かりのように何度も選挙をやって体制を作る努力をしてます。
 私は今、行き詰ったら解散をして国民の声を聞いて、そうして新しい体制を作っていくという―それから逃げてたら、安定した方程式は作れないだろうと思います。

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