JIJITSUWOSHIRU

AYUMI · @JIJITSUWOSHIRU

2nd Nov 2012 from Twitlonger

※法学部に於ける講演。必ずしも政治に興味や予備知識のない人、党派関係なく政治全体に不信を持つ若者を対象に話していることご了承の程を


谷垣禎一講演@明治学院大学白金祭 後半-6
・安定した政治を作る方程式 ― 自民党政権時代と現在


 それから、やっぱり今選挙が終わりますと日本の政治がどういう風になっていくのかよくわかりません。維新がどうなっていくのか石原さんがどうなっていくのか、民主党がどうなっていくのか。

 やっぱり皆求めているのは、物事が決まらない政治は困ると。我々も決めることは決めなきゃいかんと思います。
 今のままで行ったらなかなか、尖閣や外交関係など問題が多々進んで行かないでしょう。やっぱり決まる政治安定した政治を作っていくにはどうすればいいかが一番の問題だと私は思いますね。


 じゃあ安定した政治を作る方程式というのが今あるんだろうかと。 自民党政権には、安定した政治を作る方程式というのが、かつては無かったわけじゃありません。
 極めて問題を単純化して申し上げますと、

 まず衆議院と参議院で過半数を得るというのが、安定した政治を作るには必要だと我々(自民党)は考えています。
 ところがここ何年かはずっと、衆議院と参議院の両方で過半数を取れる政党ってのは出てませんね。選挙やる度に過半数が入れ替わるっていうねじれの状態になってる。まずそこの所の状況が崩れてますね。

 それからもう一つは自民党政権時代はですね、これ良い事か悪い事かは批判は色々あるんですが、かつての自民党には、派閥というのが相当強力に存在してました。派閥の親分は、派閥の領袖は、その派閥に所属している国会議員達に対して相当なコントロール;グリップを持ってました。だから極く簡単に言えば、有力な派閥が幾つか組めた。ということはそういう有力派閥が幹事長を務めたり、政調会長を務めたりして、主流派に半数以上が集まれば、相当グリップが出来る状況があった。

 ところがこちらのほうもですね。民主党はああいう風に2つに分裂してしまう状況があるわけで、まだ出て行く人があるわけで、なかなか党内のグリップは民主党も効かない。
 自民党も、率直に申し上げるとかつての派閥のような支配力は落ちている。
 まあ私が出なかった総裁選で言い難いんですけれども、森さんと古賀さんと青木さんが一緒になって石原さんを応援すると。かつての派閥全盛時代だったら、その三大派閥の実力者が、石原さんを(総裁に)やろうとして、勝たない筈はないんですね。ところが、こらあ、そういう(勝たない)結果になられた。 

 私は元々宏池会の派閥で古賀さんの派閥ですけど、これもなんか言うといけないんですが、なんか分裂状態みたいな感じになってますね。安倍さんの所も安倍さんのと町村さんの所が割れてるわけですね。
 かつてのような派閥がグリップするという力は無くなってる。自民党の最大派閥は無派閥です。

 ということになるとどうなるかというとですね、
 やっぱり派閥のグリップがある時は、苦しい時でもまとまっていこう!という力がある程度働いていました。ところが、皆自由自在に動くとなるとですね、なかなかそういう力が―こうグッと握った時に、ある程度湿ってればグッと握って固まりますけれど、サラサラだと、そのままサラサラであると。
 いうような状況ではなかなか、安定した政治ができにくいというのが、あるんですね。
 それで今更派閥全盛の時代じゃありませんから、そこをどうグリップ効かせていくかっていうのは、自民党はまだ充分開発できていないのが実情です。

 そこで危険なのはですね、皆がそういう状況である時に、やっぱり世論の支持があればまとめていくことが割合出来る、そうするとそこでの危険性は、自民党のトップがポピュリズムに走って行く、世間の喝采を受けるような事を言って党を纏めていこうとするような危険が、自民党の中にも全くないわけではない。
 それを乗り越えてどうやって安定した政治を作っていくかっていうことを、これから工夫していかなきゃならない。そこはまだ充分開発できていないという状況だと思います。

 
 そこで私はこの、社会保障で三党合意をした以上は、お互いにどういう立場であろうと、自民党と民主党と公明党は、これを実施していくためには、お互いに与党であろうと野党とであろうと協力していく責任があるだろうということを申し上げました。
 それは、全部に渡って連立を組もうというのではなくて、少なくともこの問題に関しては、部分連合というか、協力をしていく必要があるだろうということですね。

 ところがこういう事を言うのも、今の選挙制度の下ではなかなか簡単ではありません。何故かというのは、今は小選挙区を中心に組み立てておりますから、大概の自民党議員、殆どの選挙区の議員には民主党の候補者がおります。民主党にとっても同じ。私自身も選挙区で、民主党の若い女性と戦っているわけです。
 そうすると、選挙の時に「選挙の後どうなろうと協力する必要がある」と言うと選挙がやり難くなっちゃうわけですね。やっぱり選挙の時は、「俺達の方がずっと上手く出来る」と、私も言うし、私の相手の民主党の女性議員もそう仰って選挙をやるわけですね。
 この選挙終わったら協力するよなんつってたら選挙にならないわけです。

 だけれどもそう言ってるとなかなか安定した政治が出来ない。特に民主党の足元が流動化してる時に、民主党はこの選挙が終わった時にどういう政党になってくるのかというのはまだ未知数です。

Reply · Report Post