『官僚答弁に不満噴出 税収への影響で勉強会 TPPを慎重に考える会』|日本農業新聞7日

TPPに慎重な与党議員らでつくる「TPPを慎重に考える会」(山田正彦会長)は6日、勉強会を開き、TPPによる税収への影響を中心に政府から聴取した。だがTPPの全容が明らかでないことや正式な交渉参加前であることなどを理由に具体的な答弁が得られず、議員から不満が噴出。勉強会は紛糾した。

 議員はこの日、(1)TPPで日本の関税収入がどれだけ減るのか(2)TPPで税収増が見込めるのか(3)沖縄県のサトウキビなど多大な影響を受ける産業への財政負担や財源をどうするのか(4)事前協議に臨む政府の体制は――などを政府に質問した。

 これに対し、財務省は2010年度の全関税収入(7859億円)のうち、TPP参加9カ国からは約2000億円、うち農水産品が1600億円だったと報告。内閣府は、事前協議に臨む省庁横断型の担当チーム設置に向け最終調整中だと説明した。

 だが具体的な答弁はこの程度。税収や特定品目への影響については「TPPの全容が明らかでない」(財務省)、「交渉参加に向けた協議の段階。交渉に入るという前提では検討していない」(内閣府)と明言を避け、抽象的な「官僚答弁」に終始した。

 これに議員の不満が爆発した。「協議に臨むのに戦略が見えない」(舟山康江氏)、「このひどいやりとりを野田首相にも見てもらうべきだ」(原口一博元総務相)と訴え、政務三役の回答を求める声も相次いだ。

 回答できなかった八つの問題は、週内にも予定する次回の勉強会で明らかにするよう政府に約束させた。

 勉強会後、同会のある議員は「事前協議が始まっているのに、何も準備ができていないのか、それとも隠しているのか。どちらにしろ問題だ」と、政府の姿勢を批判した。

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