skr_twi

Sakura · @skr_twi

30th Apr 2011 from Twitlonger

◆今回の震災・原発事故が日本に問いかけたものは何なのか。

福島第一原発の事故はレベル7という最悪の事故になったわけですけれども、これは単にですね日本が原発に頼るべきなのかどうかという問題だけではなくて、エネルギーを大量に消費している我々のこのライフスタイルに見直しを迫っているのじゃないかなというふうに思っているんですね。

原発とはもともと危険なもので、それを技術でおさえながらやってきたわけですけれども、今後もそのリスクを許容して今の暮らしを続けていくのか、それともライフスタイルをある程度見直してリスクの少ないエネルギーに転換していくのか、今回の震災を機に国民的な議論をしていかなくてはいけないと、こう思います。


◆原発の安全性とエネルギー政策について。

*事故の現状

最悪のレベル7というふうに評価されたわけなんですが、ただ放出された放射性物質の量からいきますとチェルノブイリのまぁ10分の1くらいなんですね。ただまぁ先ほどもありましたように、比較的低レベルの汚染水を海に流してしまったと、世界からはですね、やはりこれとんでもなことを日本はしてくれたなというふうに見られていると思うんですね。

で未だに放射性物質の放出は微量ながら続いているわけなんですけれども、やはり初動の対応ですね、ベントの遅れ、それから注水の遅れ、それから水素爆発による対応などですね、これ初動の遅れが何故おきたのか、これが致命的だったと言わざるを得ないと思うんですが、これはやはり初期対応に問題がなかったのかどうかに関しては担当者の記憶がうすれないうちに早めに事故調査委員会をつくって究明しておく必要があると思うんですね。ただ今ちょっと遅れてまして、5月中旬くらいにはつくるとは言ってますけれどもこれを急ぐ必要があると思います。

それで現状なんですが、原子炉への注水が続いていることもあって、一時期よりは、原子炉、比較的落ち着いてきているようには見えますけれども、現在もですね燃料の崩壊熱を取り除いているだけで不安定な状態は続いているんですね。

こちらの図でちょっと説明したいと思うんですが(原子炉構造フリップを提示)、落ち着いてるとは言いましても今後心配なことを私2つ挙げたいと思います。

ひとつはですね、水素爆発の危険、それから、ひとつは余震ですね。

今、この原子炉の中非常に強い放射線が出ていまして、この(原子炉内の)水が分解されて格納容器の中には水素がたまりつつあります。まだ比較的濃度は低いんですけれども、今後水素濃度が高まると、この格納容器が水素爆発をおこしますとまた大量の放射性物質が放出されるという事態になりかねません。なのでこの格納容器に、水素爆発を防ぐために窒素の注入が続けられています。

それとですね、4号機なんですが、この使用済燃料プールなんですけれども、爆発によってこういった(側面の)壁だけではなくてプールを支えているこういった柱ですね、壁が崩壊していることがわかりました。さらに今後大きな余震がおきるとですね、この使用済燃料プール自体が崩壊することも懸念されているわけですね。そうなりますと、この燃料を冷却することができなくなりますので、これあの非常に深刻な事態になると思うんですね。

やはり、落ち着いているように見えるかもしれませんが、依然としてやはり課題や山積みの状態続いていると。

*周辺住民への影響 ー避難基準は適切かー

かなり議論になっていですね、今後1カ月くらいで計画的避難が行われることになりました。この基準となりましたのは、年間の積算の被曝量を20ミリシーベルト以内に抑えようというものなんですね。これは、ICRP国際放射線防護委員会が、事故が続いている緊急事態の中では20ミリシーベルトから100ミリシーベルト以内に抑えようという勧告を出しています、でその下限値をですね日本政府は採ったわけなんですけども、一方で避難区域の外側の学校で、子供達が安心して校庭や屋外で活動をするときの、それを制限する目安としてですね、これも年間で20ミリシーベルトを示しているわけなんですよね。

避難するのに20ミリシーベルト、でその外側の区域で子供達が安心して暮らすための数字も20ミリシーベルトでこれおかしいんじゃないかという議論があるんですね。ただこれ、学校の基準というのは別の基準を実はとっていてですね、事故から復旧していく段階ではICRPは1ミリシーベルトから20ミリシーベルト以内に抑えるんだと、そちらの今度は上限値を日本政府は採ってるんですね。

一方では下限値をとり、一方では上限値をとっているですね。これはいったい何なのかと。それと一般の人はですね、年間の被曝線量というのは1ミリシーベルトだったんじゃないのかというあたりで、一般の人はもう大混乱しているんですね。

先ほどのニュースにもありましたけれども、内閣府参与の方が1人辞任しましたけれども、その辞任の理由としてもこの学校の安全の基準を挙げているんですね。やはり人体への放射線というのは少なければ少ないほどいいというのが国際的な大原則ですので、こういった基準の考え方、それから安全性についてですね、政府はもっと丁寧に説明していく必要があると思います。

*周辺住民への保障

今後避難はかなり長期化することが見込まれますので、保障をなるべく早くしていくことが重要だと思うんですね。今週ですね損害賠償の方針を決めます文部科学省の審査会が開かれました。政府の指示に従って避難した人たちや、それから農作物の出荷制限を受けた人たちですね、こういった損害を受けた人などを対象にした保障の指針がまとまりまして、この中でですね、避難に伴う精神的な苦痛についても損害と認める余地がると言っているんですが、これは比較的評価できると思うんですね。といいますのは、12年前に東海村の臨海事故のとき、このときにも精神的被害を受けたと訴えた人が出たんですが、比較的短期間に収束していたこともあって、精神的苦痛に関してはですね賠償は認められなかったんですね。これを認める方向になっているのは評価できるんじゃないかと思います。

それから、いわゆる風評被害についてですね、これをどうするかについてはまだちゃんと決まっていないんですね。まぁ審査会の方向としてはこれも認めていこうということになっていますけれども、やはり農業者、それから漁業者中心にですね非常に不安が拡がっていますので、この風評被害についてもはやく方針をまとめる必要があると思います。

*収束の見通し

東京電力は工程表を示していますけれども、6ヶ月から9ヶ月で収束させるということなんですが、これなかなかギリギリのところかなというのが印象ですね。

こちらの図で説明しますけれども、東京電力の工程表によるとですね、今原子炉に水を入れていますけれども、この格納容器全体を水で満たしていって燃料を原子炉ごと冷やしていくと、いうようなことで今後3ヶ月で冷却をすすめていきます。

それから、この建屋全体をドームのようなもので覆ってしまってですね、放射性物質の放出を大幅に抑えて収束させようと言うことを計画しているんですが、果たしてこの格納容器が健全かどうかというのは非常に疑問がもたれていまして、特に2号機の場合、圧力抑制室付近で爆発があって、ここから穴が開いて漏れているという可能性があります。ですので、今後水で満たすためには穴を塞がなければなりません。

それから水を入れただけではダメで、水を循環させなければいけないんですけれども、そういった配管をつなぐ作業とかをするためには、この建屋の中に人が入っていかなければいけないんですね。ところがこの原子炉建屋がですね、今週のロボットによる調査で、放射線量が最も高いところで1時間あたり1120ミリシーベルトというですね、これはまぁ一定時間いると人体に影響が出かねない値で極めて高い場所があるんですね。

こういった場所で作業員が作業するためには、やはり放射線物質を取り除いていくような作業が必要なんですが、作業環境をよくするにはかなり時間がかかると、工程表をまもれるかどうかっていうのはギリギリのところで、そう簡単ではありませんので、やはりこの工程表を一回示しただけではなくて、今後もですね、進捗状況について東京電力・政府はですね折にふれて国民に説明していくということが重要だと思います。

*エネルギー対策と地球温暖化

政府は14基の新規立地分に関しては今後白紙に戻して検討するとは言っているんですけれども、やはりこれだけ原発の潜在的な危険性が明らかになったわけですので、そもそも、やっぱり今稼動中の原発もどうしていくのかと、今後もエネルギーを原発に頼るのかというところからやっぱり議論していかなくてはいけないと思いますね。

仮に原発に頼らないんだと、たとえば段階的に廃止していくとかですね、そうした場合にじゃ代替のエネルギーでどの程度今の原発分をカバーできるのかどうか、じゃカバーしきれないなら、産業活動、それから我々の生活にどういった影響があるのかというのは政府ははっきり示してですね、我々のライフスタイルを変える必要があるのかないのかといったことも議論しなければいけないと思うんですね。

で、仮に今後やっぱり原発に頼るんだというのであれば、少なくとも今回福島第一原発を15メートルくらいの津波が襲っているわけですけれども、今後すべての原発というのは少なくとも15メートルの津波に対して襲われても、電源を喪失しない、冷却システムが失われないようなシステムというのを採っていくという、安全性を万全のものにしていくというのは絶対に必要なことだと思います。

*15メートルというのは目安になる?

福島のほうで15メートルが来るというのは全く想定されていなかったわけですね。各原発とももちろん想定はしているんですけれども、それを超える津波が来るというのはあり得るというのを今回示していると思いますので、ひとつの目安になるんじゃないかなと、私は思いますけどね。

*既存の原発への安全対策

先ほどもいいましたように、やはり15メートルの津波対策というのがひとつの基準となってくると思うんですけれども、それにむけて今経済産業省の指示を受けてですね、各電力(会社)は電源車を配置したりと、今対策をやっているんですね。

ただ、電源車っていうのはパワーがあまり大きくないんですよ。電源車で回せるのっていうのは、非常に小さい弁だとか、それから中央制御室の照明だとかそういう部分なんですね。もちろんそれも意味がないわけではないんですけれども、ポンプを回して冷却を本格的にするっていうのはこれ出来ないんですね。

それをやるためには相当高圧の電源車が必要になってくるんですが、これを配備している電力会社っているのは非常に少なくて、それから今後もそういうのを配備するとは言ってるんですが、早いところで半年かかる、長いところでは2年、3年かかるって言ってるんですね。この状態ではたしていいのかどうか。

たとえば浜岡原発はですね、12メートル以上の防波堤を作ると言ってるんですね。これ2,3年かかると言ってるんですよ。じゃ、この2,3年のあいだどうするんですかと。今経済産業省の原子力安全保安院のほうでこうした電力会社の緊急対策というのを検討していますけれども、厳しくみていってですね、まず安全かどうか判断した結果についてはその根拠も含めて、国民に地元住民を中心に国民に示していってほしいと思います。

Reply · Report Post