skmt164

坂本寛 · @skmt164

22nd Apr 2011 from Twitlonger

藤井猛九段の爆笑トーク@第69期名人戦第2局大盤解説会

(※自分の記憶に基づいたザックリまとめ発言順不同です)

最近2手目△8四歩が増えてるんですよ。むしろ今は後手番のほうが気が楽かもしれない。もうなんか角換わりとか早石田とか研究されすぎて一周しちゃってる。やっぱり研究しすぎても良くないんですよ!(場内爆笑)

横歩取り8五飛で5二玉型みたいな。ほら、あのどうでもいい形あるでしょ(場内爆笑)。第1局もそうでしたけど。あの戦型はどの棋譜がどの対局だったか、パッと見てもわかんないくらい指されてるじゃないですか。羽生さんも後手番では最近あればっかりですよね。

「藤井流早囲い」とか、自分で言うのは恥ずかしいじゃないですか。そもそも早囲い自体は、僕の奨励会時代に羽生さんや森内さんがもう活躍してて、そこで流行ってて。だからパクった(場内爆笑)。……というとアレですが、まあ(脇システムと片矢倉を組み合わせた)この形は「藤井矢倉」と呼んでもいいんじゃないかなと。

佐藤さんが書いた藤井矢倉の本が出てますよね。気になってるけど、まだ読んでないんですよ。というか僕に送ってくれてもいいよね(場内爆笑)。

早囲いって、たぶん▲6八玉と囲いに行く瞬間の△7五歩があって指されなくなったと思うんです。でも「どうせ研究してるんでしょ?」って感じで、誰も僕にはそれをやってこない(場内爆笑)。確かに研究は用意してますよ。でも僕も実際に指してみないとわかんないし。研究って言ってもそんなもんなんですよ。

△7五歩の対策は……企業秘密です。まあ▲同歩なんですけど(場内爆笑)。そこまでは言っても大丈夫なので。

この△8五歩は森内流なんです。2008年の順位戦で指されて。普通に囲いに行ったら7三と3三の銀2枚で攻められちゃった。あとで▲2五歩があることがわかって。そしたらあとは角が出て、棒銀にして、片矢倉にするしかないんです。本当は4六銀3七桂型でドーンと攻めたくてやってたのにショボイなあと(場内爆笑)。

でもね、藤井矢倉の形も、▲6三角と打ちこむ筋があるんで、これがなかなかイケてるんですよ(満面の笑み)。王座戦で、羽生さんは途中違う変化に行きたかったみたいだけど、自分で言うのもなんですが素晴らしい指し回しで(場内爆笑)研究通りの局面に進んで。

でも48手目の△7五歩だけは研究してなかった。ほかは全部研究してたのに。本当にあの時の羽生さんはもう神みたいで(場内爆笑)。やんなっちゃうくらい滅茶苦茶強くて。だって王座戦19連覇ですよ。もともと強いのに、何か人智を超えたようなものと戦ってる感じですよ。

王座戦が終わったあとも研究して、この序盤は良かったと思っていたんです。そしたら羽生さんが竜王戦の対高橋戦で、逆を持って同じ局面を指して勝っていて。観戦記を読んだら「もう少し工夫が必要」とか言ってて。自分は負けても良かったと反省してて、羽生さんは勝っても悪かったと反省してるんですよ(場内爆笑)。

(29手目▲5八飛のところで)飛車回るしかないんですよ。例えば▲5四歩△同銀▲5五歩とかだと、△4三銀と引かれて形よく銀矢倉になっちゃう。これじゃつまんない……あるぇ?(場内爆笑)。ダメな例をと思ったんだけど、意外とあるかもしれません……おかしいなあ。今度やってみようかな(場内爆笑)。

早囲いをやろうと思ったのは、たまたまなんです。振り飛車にしようとして、なんか牽制されていろいろやってたらその形になっちゃったという対局があって。あれ、意外とイケるじゃんって(場内爆笑)。

早囲いって、とにかく序盤の駒組みに気を使うんですよ。藤井矢倉の形じゃなく、たんに一手早く普通の矢倉に囲えたとしても「だから何ですか?」ってこともあって。具体的に優勢にできるかというと、それも難しい。矢倉に詳しい人に聞いてみても「いやぁ」とか言われて。それじゃ困るんだけど(場内爆笑)。でもまあ、やっぱり自分の色を出したいし。ちょっとロマンがあるじゃないですか。

今回は羽生さんの▲6七金で「おっ!」って思いましたよ。やっぱりタイトル戦で(藤井流早囲いが)出てくるとうれしいから、もっとやってもらいたいんですけどね。どうせなら△7五歩の変化とか、▲2五歩からのをやってくれたりすると、自分で指さなくていいから楽なんですけど(場内爆笑)。

敗着は▲4六銀……までは言わないけど▲5八飛……かなあ?羽生さんも、もっと僕を信用して▲2五歩と指してほしかったです(場内爆笑)。がっぷり四つでね。こう言っちゃなんですが、この二人の将棋としては不出来かも。結果的に負けた方が何やってんだみたいになる形に進んだんで、仕方ないんですけど。

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