SeiryuF

清流 · @SeiryuF

25th Jun 2010 from Twitlonger

富の固定化と消費税に関する意見と分析。

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各種資料から分析してみました。専門家の人、検証してもらえたら助かります。

まず長年の大量の国債発行により、国債という金融資産が増え、
その1500兆円の金融資産の80%を50歳以上が持っています。

この状態で消費税を上げ、主な社会保障の受給者である高齢者に回すと、
高齢者は消費する金額が少なく、高齢化により相続人も平均55歳になってるため、
ますます金融資産が高齢者に集中します。

この状態で国がプライマリーバランスを均衡させると、
高齢者の資産が増える分だけ、現役世代の貯蓄が減り、
住宅取得のための貯蓄やローン返済がしにくくなり、
そのために消費が減らされてしまいます。

セーフティネットを強化して、中高年、高齢者の将来不安が減少して消費が増えるとしても、
現在、無職高齢者の貯蓄率が-20%(70万円減)程度なのを、-40%(140万円減)程度まで
増やしてもらわないと、高齢者に富が集中するのを防げません。
いくら安心によって消費が増えると言っても、
よほどのことがない限り、それだけ増やすのは無理でしょう。

よって、消費税を上げると、全体として消費が減り、世の中を循環するお金が減り、
GDPも税収も減ってしまい、財政再建は失敗します。

これを防ぐには、高齢者が亡くなるまでに使い切れなかった金融資産を、
相続税によって回収し、世の中を循環するお金の量を増やすしかありません。
そのためには相続税の基礎控除を引き下げ、多くの人に相続税を支払ってもらう必要があります。

ただし相続税を一律50%などに上げることは、現実問題として難しいので、
現在、年間所得だけで医療の自己負担率が決められているのを、
金融資産額も条件に加え、富裕層には3〜5割の自己負担をしてもらったり、
金融資産が多い人への年金を減額して、一般会計歳出を減らしたりする必要もあります。

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計算してみたけど、高齢化により相続人の平均年齢が55歳になってることもあり、
ますます高齢者に富が集中する計算になった。

デフレ脱却も出来ず、国がプライマリーバランス均衡を行った場合、
高齢者に富が集中するということは、それ以外の人と企業の金融資産が減ると言うこと。

いくつか計算方法があるけど、簡単な計算を示すと、
まず高齢者の平均年収は確か350万円程度。
高齢者の半分が無職で、その無職の人の平均貯蓄率は-20%。
つまり年間70万円ぐらい貯蓄を切り崩して使っている。
高齢者の低所得者も貯蓄率がマイナス、それ以上は貯蓄率プラス。数値は忘れた。
親からの平均相続額は1500万円程度で、平均寿命は83歳程度。

無職の人のパターンで考えても、高齢者の間に取り崩し貯蓄は、
70万円×(83歳-65歳)=1260万円と平均相続額より低いし、利子もある。

需要を増やさず、金融政策だけで、確実にインフレに出来るという証明が出来るのであれば、
それでいいだろうけど、金融政策だけで賃金アップを伴ったインフレに出来ると言ってる経済学者は、
半分もいないんじゃないだろうか?
またインフレになると、金利も上がるので、利子により金融資産も増える。
中高年、高齢者はインフレを恐れているので、消費が落ち込むリスクもある。

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消費税5%分の還付の試算をしてみた。

・給付付き税額控除を以下と仮定
A = 世帯年収 と 200万円の大きい方
( 300万円 + 扶養家族 × 15万円 - A ) × 15% = 減税・給付額
※マイナスの場合は0円。

・世帯構成別の減税・給付額
世帯年収200万円 扶養家族4人 = 24万円
世帯年収200万円 扶養家族3人 = 21.75万円
世帯年収200万円 扶養家族2人 = 19,5万円
世帯年収200万円 扶養家族1人 = 17.25万円
世帯年収200万円 扶養家族0人 = 15万円
世帯年収250万円 扶養家族4人 = 16.5万円
世帯年収250万円 扶養家族0人 = 7.5万円
世帯年収300万円 扶養家族4人 = 9万円
世帯年収300万円 扶養家族0人 = 0万円
世帯年収360万円 扶養家族4人 = 0万円

こうした軽減措置を入れた場合、消費税を10%に増税しても、
増税分の25%程度は軽減措置で消えることになる。

また金融資産をたくさん持っていても、国民年金で少ない年収の人は、
軽減措置の対象に入る。高齢者の60~80%程度が軽減措置に入ることになる。
これだと高齢者の富裕層から若者への富の再分配が進まない。

各種世帯の所得等の状況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa07/2-1.html

年金額の分布状況、平均は182万円 (厚労省;年金実態調査 平成19年)
http://tak-tak-world.txt-nifty.com/log/2009/07/19-62a6.html

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消費税だと、全体の30%を占める低所得者に増税5%分=税収の25%分=3兆円還付をして、
中〜高所得者に負担してもらうとすると、中〜高所得者の平均消費性向は70%程度なので、
その分だけ消費も減ると仮定すると、増税5% × 70% = 3.5%の消費減 = 7.35兆円の消費減となり、
税収12兆円 - 還付3兆円 - 消費減7.35兆円 = 1.65兆円の税収しか実質確保できないことに。

消費減7.35兆円で実質税収が減るとしたけど、
これは政府の財政支出が100%消費されるという前提。
高齢者の50%を占める富裕層の年金にも使うのであれば、
その分だけ高齢者の消費額が増えるとは考えにくいので、
全体の需要減になってしまう。

なので、貧困層や失業者や奨学金制度にターゲットを絞って、
企業ニーズと合った職業訓練などを行うといったセーフティネット強化の財政支出を増やせば、
その分は消費に回る可能性が高いし、非ケインズ効果もより大きくなると考えられる。
その財源を、相続税や所得税の累進強化から得れば、デフレ脱却できる。

ただ非ケインズ効果を大きくするには、政府の説明に説得力があり、
それをマスコミが広く国民に伝えてくれることが重要だと思うけど、
菅さんは説明があまり上手ではないようなので、そこが心配。

小泉さんみたいに、広告・広報のプロを雇ったらどうだろうか?

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需給ギャップ25兆円を、日本の最終消費300兆円と、企業設備投資80兆円を
増やすことで埋められるか簡単に試算。

相続税5兆円増税したとして、税収の10%の消費減が起こり、実質税収4.5兆円増。
所得税累進強化で高所得者に5兆円増税、低所得者に2.5兆円減税、
消費性向が違うので消費減は無し。税収2.5兆円増。
合わせて7.5兆円の税収をセーフティネット強化や、成長市場の支援に充てる。

不況による将来不安で消費は15兆円程度動くので、
セーフティネット強化による安心で少なく見積もって消費15兆円増。

成長市場の支援は、数年〜10年ぐらいは経たないと大きな効果は得られないと思うので、
少なく見積もって財政支出の分だけの効果とする。

これで 財政支出7.5兆円 + 消費増15兆円 = 22.5兆円。
それだけ需要が増えれば、企業も設備投資するので、設備投資で少なく見積もって10兆円増。
よって、需給ギャップは埋まり、デフレ脱却できる。

ただし問題の本質は、乗数効果を上げるために、富の固定化を防げるかどうか。
有効活用されていない富裕層の貯蓄を再分配して、富が固定化されないようにすれば、
あとは勝手にフローが増えると思うが、どうだろうか?
せめてGDP比高齢者資産、マネーストック比高齢者資産が増加しない程度までは、
相続税増税、富裕層の医療費負担増などを行うと良いと思われ。

国内家計最終消費支出の推移
http://blogs.yahoo.co.jp/suzukieisaku1/12540152.html

民間企業設備投資及び企業設備投資対GDP比率
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2009/09/15/006757.php


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社会保障費の伸びを抑えつつ、
高齢者の安心を確保するための制度を考えた。

高齢者の自己負担は基本3割、月額上限額も基本15万円、
国民健康保険と後期高齢者医療制度の保険料も基本軽減なしと、基本的には軽減措置なしとする。
収入と金融資産(金融機関の証明書を提示)の両方が一定額以下の場合に、
段階的に負担が引き下げられるようにし、生活困窮者には今まで以上の軽減措置を用意する。
今は収入だけで軽減措置が必要かどうか判断しているので、金融資産も条件に入れることで、
軽減措置を行う対象者を大きく絞り込む。

こうすれば社会保障費の伸びも抑えられるし、
将来不安が減らせるので、将来のために貯蓄しようとする中高年の人も減るし、
高齢者も心配なく消費することが出来る。

世帯収入250万円+(世帯人数×50万円)以下で、金融資産1000万円以下を
軽減措置必要とした場合、高齢者の35%程度が該当すると思われ。

世帯収入150万円+(世帯人数×50万円)以下で、金融資産150万円以下を
生活困窮者とした場合、高齢者の15%程度が該当すると思われ。

軽減措置必要なしは、高齢者の65%程度が該当する思われ。

高齢者世帯の消費月額と公的年金
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/iken/go10.htm

高齢者の生活困窮度の国際比較
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1305.html
> 困っている 3.1%
> 少し困っている 11.4%
> あまり困っていない 28.3%
> 困っていない 57.1%

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